交感神経切除手術


多汗症手術、特に手のひらの多汗症治療として多く行われているのが交感神経切除手術(腔鏡下胸部交感神経切除術・交感神経遮断手術・ETS)です。


多汗症の大きな原因は自律神経のうち交感神経が優位になったためだと考えられていますので、その交感神経を取り除いて多汗症を完治させようという手術法です。


 交感神経切除の手術法



全身麻酔を行う交感神経切除手術の手術法

わきの下に数ミリ程の穴を開ける

胸腔鏡(スコープ)を挿入

胸部交感神経を切除

縫合はしない場合が多い


病院により多少違いますが、基本的には以上のような流れで行われます。手術時間は約20~30分程度で、入院の必要もありません(入院が必要な場合もある)。


交感神経切除手術は、基本的には手のひらの多汗症を改善・解消させるもので、足の裏の多汗症の場合は、腰椎の交感神経を切除する手術が行われています。


 交感神経切除手術のメリット



手のひらの多汗症を完治することが期待できる交感神経切除手術のメリット

手術痕はほとんど目立たない

体への負担が少ない

手術時間が短い(約20~30分)

基本的には入院の必要がない


 交感神経切除手術のデメリット



代償性発汗が起こる可能性がある交感神経切除手術のデメリット

切除した交感神経は戻らない

乾き過ぎた手になったり、ひび割れる

頭痛

喉の渇き

手術後に痛みが多少ある


交感神経切除手術は、手のひらの多汗症にはとても効果的だとされていますが、わきの下・顔の多汗症の場合は、効果が低い、または、まったくないこともあるようです。


もちろん代償性発汗などの副作用が起こる可能性は人それぞれ違いますし、まったく副作用が起こらないこともあります。


いずれにしても交感神経を切除すると元には戻りませんので、手術は最後の手段と考え、手術を決断する前に、本当に手術が必要なのか?手術以外に方法はないのか?をよく考え、または信頼できる医師などに相談するのもいいでしょう。


 

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